「果織ちゃんー、見て。ウサギ、ネコ、クマ。ぬいぐるみ持ってきたんだー。
窓際に置いとくね。果織ちゃんネコ好きだもんね」
「……かわいい!! ありがとう、蒼先生」
「良かった~。喜んでくれて」
「……かわいい」
「病室で1人なんて嫌だよねー。先生でも嫌だもん。…果織ちゃんは偉いね?
いつも弱音なんてはかないもんね」
「……うん」
ベッドの枠に腕を乗せ、横たわる果織ちゃんを覗く体制になった。
「でもね?
たまには『寂しいなー』とか、言ってもいいんだよ。
たまにじゃなくてもいい。……いつもでもいいからさ。
…あんま頑張りすぎなくていいんだよ。病院だもん」
「……せん……せ」
「退院したら、果織ちゃん学校行ったり、勉強したり…いろいろ頑張ることあるから。
病院にいるときは、楽が一番でしょ?
……だからさ、先生に甘えていいよ」
「……………」
涙目の果織ちゃんが、頷く。