──ガラガラッ
「蒼先生!!」
看護士が思わず声をあげたようで、口を押さえる。
「ん、果織ちゃん過呼吸?」
「みたいです」
「体起こす?果織ちゃん。
ちょっといい…?」
蒼先生が果織ちゃんの服の中に手を滑り込ませる。
「果織ちゃん、息吐くんだよ。」
「……んッ」
「……そうそう、上手。」
「……ッ」
蒼先生が果織ちゃんをギュッと抱いて、呼吸音を感じている様子。
「…ん。」
蒼先生に抱かれて、すぐに落ち着いていく果織ちゃんを見てると、なんだか羨ましい。
蒼先生の温もりは、患者さんに安心感を与えるんだな…。
季蛍にもだけど。
蒼先生が果織ちゃんの服の中に聴診器を入れる。
聴診器を抜いた蒼先生が
「……んー」
と、眉をひそめて果織ちゃんの頬に触れる。