車の中では戻すことのなかった陽だけど…
病院の駐車場について、病院へ歩いていたときに手に持っていた袋に戻していた。
「陽、我慢しちゃだめ。……口閉じちゃだめ」
「ッゲホゲホ」
「我慢しなくていいから。」
「………ッゲホゲホ」
……少し落ち着いた所で、陽を抱き抱えて急いで院内へ入った。
受付をしたあと、医局へ行こうとも思ったが、なんせ陽が待合室で戻しそうなので…
陽の元へ寄り、俺に寄りかかる陽の背中をさすっていた。
「………急にどうしたんだろうね。……昨日怠そうに見えなかったんだけどな」
「………」
「陽…。」
「こ、……ッケホ、」
その時、名前が呼ばれて陽を抱えて診察室へ直行。
「……あ、蒼。頼んでなかったけど…蒼診てくれるの…」
「看護士に言われたー。陽さん来てますよって。山瀬先生いないですけど、どうします?
って。きづいてくれてたみたいね。」
「あー。そうなんだ、良かった」
イヤイヤと診察室に入ろうとしない陽の腕を引いて、椅子に座らせる。
「やだッ」
「……まだ何もしてないだろ」


