────「ただいま」
久しぶりに、体調の面じゃなくて…仕事で疲れた、と思うことができた。
「蒼ー?」
寝室を開ければ、ぐっすり眠る蒼。
ベッドサイドにある薬箱を見るなり、飲んだんだな…と。
「大丈夫?…蒼」
「あ。おかえり…。下がった下がった」
「え?ほんと?」
「うん。……ほら」
服から抜き出された体温計は『38.5』
「……なんかまぁ…下がってるけどさ。」
「……まだだよね」
「…うん、っていうかご飯食べてなくない?」
「…今日ベッドから出てない」
「えぇ」
「動けない…」
「じゃあ作ってくるね?」
「……ごめん」
いつもの蒼はどこへやら…


