あめ玉を白衣のポケットに入れて、果織ちゃんの病室へ。
「来たよー。果織ちゃん」
「あッ……蒼先生」
「……ん?」
コソコソと隠れるように布団で腕を隠すように見えたから、少し不安になった。
「………昼ご飯、食べないの?」
「………」
「ご飯食べたら薬飲もう?」
「………………あのね、蒼先生…。ごめん……なさい」
「え?」
「点滴……。…外した」
「……………え?」
「私、そんなつもりじゃ…」
「ん、わかった。じゃあ刺し直してあげるから。」
『怒ってないの?』と目を見開いた果織ちゃんに微笑んで
「…しょうがないよ」
と言えば、
「……どうして抜いちゃうんだろ…なんか怖くなって…」
「点滴、怖いの…?」
「………なんか、すごい怖くなっちゃって」
「そっか。そんなときもあるよ。ただでさえ果織ちゃん、今まで頑張ってたんだしね?
…少しぐらいそんな時あっても全然おかしくないよ。だからそんな悲しい顔しなーいの」
点滴を刺し直して、果織ちゃんの近くに腰掛けた。


