────医局
「SY……SY…」
と呟く港と、ぐったり突っ伏する芙羽と、ニコニコしている高島。
「芙羽寝てんの…?」
「起きてるよ。……那帆ちゃんが診察拒否するもんで、疲れてるところだよ」
と、港が言う。
「はは、お疲れ」
「………もうやだ…。俺の内心ズタズタ…。
……『医者なんて信用するもんかー』とか、『診察なんてすんなー』とか『来ないで』とか。
もうすごいの。」
「中2なんてそんなもんだよ」
そう言いながら高島の隣に腰掛ける。
「ねぇ、愛優ちゃんにもそんな時期あった?」
芙羽が顔を起こして言う。
「……愛優に?そりゃ精神的に不安定なことなんていっぱいあったけどさ」
「ほへー…………」
「看護士と一緒に説得させないと。まずはそっからだよ。入院してる事自体嫌がってんだから。
……ちゃんと説明して、納得して、診察、治療………退院。の流れ」
そう言いながら高島に寄りかかる。
「蒼先生ー。果織ちゃんどうでした?」


