「それと、ベッドの中にお薬隠してるんだってね?」
それを知られていたとは思ってなかったみたいで、果織ちゃんが俺の目を気まずそうにみる。
「………薬、出して」
「ゃ…」
「今ここに隠してある薬、全部先生にちょうだい?」
「だめ…」
「なんで?」
「………怒るから。」
「……怒らないから。出してみて?」
「……」
ベッドから出した薬を、俺の手の上に並べていく果織ちゃん。
「……これ、先生看護士さんに渡してたはずなんだけどな。」
「看護士さんに嘘ついた……。蒼先生が言ってたって言った。……ごめんなさい…」
「お薬、何のために飲もうとしたの?」
「………喉も痛いし、頭が痛くて眠れないし……」
「………先生が気づかなかったのも悪いけど、果織ちゃんが黙ってたらわからないでしょ?
…次からちゃんと言うこと。わかった?」
「…はい」
……すぐ許すから、甘いって言われるのかな、俺。


