高島先生が声を上げた訳は、医局に戻ってきた蒼の姿を見たからで…。 「まだ食べてたの?」 私の隣に腰掛けて、手元のお弁当箱を覗く蒼。 「食べろって言ったのは誰…」 「あぁー、俺。……そんなに食欲ない?なんか心配なんだけど」 「………食べたくない」 「タコウインナーも?」 「………」 「好きなんでしょ。ほら…あーん」 意を決して口をあけた。 「……んー、おいしい」 思わず声が漏れる。 「んふふ、良かった」 結局食べさせてもらう羽目に。 でも、おいしかった………。