救急外来の扉をくぐり、痛い、気持ち悪いと唸る季蛍を、受付の近くの椅子に降ろす。 「座ってて。今、受付してくる。」 うん、と頷いた季蛍を離れようとしゃがんでいた俺は立ち上がる。 「…すぐ戻ってきて」 微かに呟く季蛍は、不安そうに俺を見上げた。 「わかってる。」 受付へ行くと、まず保険証やらなんやら出す。 「…ねぇ、今救急外来に回ってる先生って誰?」 「今確認してきます」 「…ありがとう」