だけど、 さっきから歩く度、痛い、痛いと微かに呟く季蛍が不安だ。 お腹が痛くて、さっき叫んだのかと思った。 家では。 なのに、なんだかうずくまるように体を丸めているのをみると、違う気がしてきた。 「……季蛍さ、どこが痛い?」 駐車場から病院までの道の途中で、季蛍に問う。 「……頭と、首のうしろ」 「……頭って、中が痛いの?中側から?それとも外側?」 「…さっきリビングでフラついて、テーブルに頭打ったら痛い。 外か中かわかんない…」 「打った?……頭を打ったの?」 「ガンって…」