「どーしよ、吸入医局だ」 「あのー?蒼先生…」 「医局戻って間に合うかな、イヤ、間に合わないな。」 「あのー……」 「ッケホケホケホ……」 「どーしよ、……」 季蛍の背中をさする蒼先生が慌てて1人でブツブツ言っている。 「あのー、蒼先生。僕、持ってます」 それを聞いた蒼先生が、一度静止して俺の目を見つめた後、 「あぁ、そうだよな。ごめんごめん、ホント、高島いたのに」 白衣から出した吸入を蒼先生に渡せば、苦笑いで受け取る蒼先生。