以前と同じく、宮川さんと二人きりになった病室。
「……果織ちゃん、また体調崩しちゃいましたね」
「…ね」
「蒼先生も果織ちゃんを対処する手が以前よりスムーズになった気がします。
……慣れてるみたいな感じで」
「うん…確かに」
「蒼先生って内科医ですけど、専門外のこともできるっていうか…。蒼先生の縫合した傷跡、すごくきれいなんです」
「そうなんだ、蒼先生も縫合したことあるんだね」
「はい。外科の先生が大勢一時期インフルエンザで、倒れちゃったことがありまして。
…上野先生が蒼先生連れて、外科の所まで。私も見守ってましたけど、キレイだし、丁寧だし。」
「蒼先生は尊敬の星だよね」
「ですよね。」
「俺はあんな風になれる自信ないけど…」
「イヤ、でも。蒼先生の身近にいると、学ぶことってすごくあるんです。
蒼先生を補助していた看護士って、他の看護士と違うって言うか。
……だから、高島先生きっと素敵な医者になれますよ。今より、ずっと」
「………ありがと。直接言われると照れる」
「はは、高島先生らしいですね」
「通りで…季蛍もすごいわけだ。
…季蛍も蒼先生似で手元華麗だから」
「ハハハ、華麗ですよね」
「うん。華麗」
二人で笑いながらシーツをかえた。


