「ごめんね、果織ちゃん。遅くなった」






「蒼先生ッ」







腕を懸命に伸ばす果織ちゃんを、蒼先生が抱く。






「ごめんごめん。高島も」







「あぁ、大丈夫ですよ。」








…腕から離れていく果織ちゃん。








なんだかお嫁に娘をおくる父親の気分。






って、子供いないからわからないんだけど。








多分こんな感じなんだろうな、って。







「果織ちゃん、なんか手震えてない?」








「………うん、寒くて」









「寒い?」







………。







寒いとは言えない室内の温度。







「…そっか。」






蒼先生がベッドに果織ちゃんを降ろす。