落ち着いた果織ちゃんを抱えて、トイレで口を濯がせ、病室で背中をさすって落ち着かせる。 「大丈夫だよ。果織ちゃん…」 「蒼ッ…先生……は?」 ……やっぱり蒼先生だよね。 「あと少しで来ると思うんだけど……」 でも、『蒼先生は?』と言いつつ俺に抱きついて呼吸を整える果織ちゃん。 蒼先生じゃなくて、俺に抱きついてくれるのは今だけか………… と少し寂しくなる。 それから蒼先生が病室のドアを開けたのは、果織ちゃんに抱きつかれてから25分が経過したときだった。