病院の駐車場につき、俺は車を降りて、助手席のドアを開けた。
未だケホケホとビニールを放せない季蛍の背中をさする。
「……慌てなくていいよ」
そう言えば、落ち着いたように息を繰り返す。
「一回治まったら行こう」
うん、と微かに頷く季蛍…。
タオルで口を押さえながら、目を瞑って俺に寄りかかり、息を続ける季蛍。
「……大丈夫?」
フリフリと首を振って、また深く息を吐き、ビニールに戻す…。
……大丈夫な訳がない、と見ただけでもわかっていても、
聞かずにはいられなかった。
見てられないほど、辛そうで。
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