片手にタオル、片手にビニールの季蛍を助手席に乗せ、車を病院へと向かわせる。
「……ッぅ゙」
額に汗をかきながら、唸る季蛍。
「………もう少しだから。頑張れ」
「……ん………うぅ゙」
「ッケホケホケホ、オェ」
運転している俺の隣で、苦しそうに戻す季蛍の様子がわかる…。
「季蛍……。」
信号待ちしている間も、辛そうにビニールに戻す季蛍。
背中をさすり、髪を結わく。
「…ッケホ、」
「…季蛍、腕」
「………ん、」
ゆっくり手を差し出す季蛍の手を掴んで脈を測る。
「………。待ってね、急ぐから…」
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