ピピピピッ ピピピピッ



「…高島先生、8度7分です。」






と、島内さんが言う。






「昨日は…8度3。

……上がったね」







「………」








「じゃあ季蛍、前開けて」








「……はい」







島内さんが手伝ってくれて、前を開ける。







「息、ちゃんと吸っててよ」







「はい…」







聴診器が当てられて、ゆっくり呼吸を繰り返す。







「……うん、オッケ。

季蛍、あーん」







「………」







「季蛍。ほらあーんして」







「あーんって子供っぽくてやです…」








「もう。そんなことはどうでもいいから口開けて」







ゆっくり口を開けて、高島先生が頷く。