新人看護士さんが、すいませんすいませんと謝る隣で、腫れたという腕を覗く。
「しょうがないよ。…点滴刺すのまだ馴れてない訳だしね?
……まぁでも、先輩看護士がやってくれれば良かったってのが俺の本音だけど」
「………優しいですね、蒼先生」
と、看護士2人が頷くのを背後に感じながら、
「…痛いですか?」
「……少し」
「……これ大丈夫ですね。あと少しで腫れも引きますから」
「はい……」
「……あ。じゃあ島内さんやってくれる?点滴」
「え、あの…医師じゃなくても…」
「島内さんなら平気でしょ?……俺じゃなくても」
「……ヘヘ」
若干照れた島内さんを後に、また隣の部屋へ。