家に向かいながら、考える。
………大丈夫かな、季蛍。
慌てて玄関のドアをあけて、リビングに入る。
すると、リビングにぐったりと倒れる季蛍の姿。
……えっ?
肩を揺さぶると、
「痛いッ」
と叫ぶ季蛍……。
「……どうした?」
「………グス、」
「遅くなってごめんね、季蛍。」
「………痛い」
「何?どこが…」
「いいいたたたた……」
「季蛍さ、お腹痛くて連絡くれたでしょ?……で、戻したって?」
「……戻した。1日に何回も」
「ごめん……。切り上げて帰れば良かった」
「………救急に回ってたのに帰って来た方がやだ。私のせいになるし」
「………そうだけど」
「………助けて」
季蛍から滅多に助けを求めないのに、今日はちゃんと電話までしてきた。
ということは、よっぽど怠かったんだと思う。


