「ほら、上脱いで」





椅子に座ってじーっとする季蛍を見つめる。






「……脱ぐからあっち向いてて」







「……いいから。」








「やだ…」







「ハァ。じゃあ手伝わないから自分でやってよ。」







「…わかった。………でもあっち向いて」







「季蛍。……いいだろ、俺なんだから」








「……………」







嫌そうな顔をして上を脱ぐ季蛍を見届ける。







「……せめて目瞑って」








「なんで?いいじゃん。……俺なんだから」








「……もういいけど。蒼だから」








「うん…」







ゆっくり服を脱ぐ季蛍。







………結婚当時から、変わってないなぁ…と思いながら季蛍を見つめる。







「…脱いだ。」







「ん、はい。タオル」







「………乾拭きするの?」








「あ、待ってて。お湯持ってこないと。ごめん、忘れてた」







「………服脱いじゃったじゃん。」







「羽織ってて。これ」






タオルを羽織らせて、病室をでる。






「すぐ戻ってくるから」