────ガラガラッ 「季蛍………?」 ベッドのシーツをぎゅっと握りしめ、唸る季蛍。 「大丈夫か?……季蛍」 近づくと、辛そうな息をする季蛍の額には汗が浮かんでいた。 すごい汗の量…。 「……季蛍」 「蒼……、怠………………い」 「熱計ってみる?」 「うん…」 頷く季蛍の服の中に体温計を滑り込ませて、病室に重ねられていた、家から持ってきたタオルを取った。 「……季蛍」 ポンポン汗を拭きながら、体温計が鳴るのを待つ。