───────21:00
「じゃあ季蛍、明日仕事のとき来るね」
「…うん」
「そんな不安そうな顔しないの。……苦しかったらちゃんと看護士呼ぶんだよ。高島も」
「………わかった」
「じゃあな」
「……」
………あの不安そうな顔。
「……季蛍、また明日」
「…ん」
掛け布団を軽く叩いて、去ろうとした俺の服の裾を掴む季蛍。
「……ん?」
「……………。」
目がウルウルしてる季蛍を見ると、やっぱり結婚当時と変わらないなぁ、なんて思ってしまう。
横たわる季蛍をそっと抱いた。
「……大丈夫」
「……ダメ」
「何が…」
「……。」
「不安?」
「うん…」


