────もう、季蛍しか見えなくて。 季蛍の手を取ったとき、お父さんと目が合った。 「……蒼くん」 そう言われたのは、気のせい…じゃない、はず。 それ以外には、何も言われなかったけど。 「……」 手に取った季蛍の手は、少し冷えていた。 し、震えていた。 ………緊張してるんだ、季蛍。