『何時間、何時間待ってると思ってんの!!』 待ってる……。 待ってた…………じゃなくて? 待ってる…………。 もう一度店内をよく見渡した。 ………季蛍。 季蛍は………どこ……だ。 ………あ。 窓際に座る季蛍は、窓越しの風景を見つめていた。 窓越しに歩く、手を繋いだカップルを。 羨ましそうに、じーっと、ただ。 見つけた瞬間、入り口から叫んでいた。 「季蛍ッ!!」