果織ちゃんの病室へ行くと、果織ちゃんを落ち着かせるように背中をさすっている。
「どうかした?」
「あの、果織ちゃんが吐き気…を」
「それで背中さすってるのか」
「はい。で、どうします?薬……」
「熱計ってみて?」
「あ、はい」
体温計を挟んだのを見て、ベッドに腰掛けて、果織ちゃんの額と首元と頬…に触れる。
「………蒼先生」
と、果織ちゃんが呟く。
「…ん?」
「………」
ピピピピッ ピピピピッ
「………先生、熱はないです。6度8分です」
「あー…そう。どうしようか」
「点滴……」
「うん、そうだね。……果織ちゃんいい?」
「…うん、」


