季蛍が夏来を抱く隣で、俺は夕飯を食べる。




「……んま」





「夏?大丈夫?………」






「ん……」







「なぁ、季蛍。夏来最後に診たのいつ?」








「んとね、蒼が帰ってくる二時間くらい前」








「わかった。」








夕飯の食器を片付けて、鞄から聴診器を取る。








「季蛍もご飯食べな。……ずっと抱いてたんだろ?」








「うん……」








季蛍から夏来を抱え上げて、椅子に座る。







季蛍が夕飯を食べ始めて、俺は夏来を抱きしめて心音を感じる。







「………夏」








「……………ぱあ…ぱ」









「もしもし、していい?」








とか言いつつ、聴診器をつけて服を捲る。







「いや、やんない」







「さっきやったでしょ?ママのも」








「……んん、やだ」









………なんで俺のはダメなんだ









「…夏さ、ちょっとヒューヒューしてる気がするんだけど。………ね、少しじっとしてて」









「……………」









握っていた俺の手を離してくれた所で、聴診器を服の中にいれる。








「……」








心音を聞き取るのに集中させて、夏来の顔色もみつつ…。









「……なんか若干喘鳴聞こえるんだけど」








聴診器を外して夏来をまた抱きしめた俺。








「…さっきも軽く聞こえたんだよね。でもその後落ち着いてたから」








「……熱も高いしな」