「なんか…怠い」
「怠い?」
俺は季蛍の言葉に声を上げる。
すると、蒼先生はふっとため息をついて
「今日は言えたんだ?……季蛍さ、熱上がってるんじゃないのか?」
と、分かり切っていたように季蛍の額に手を触れる。
「………なんか、体重い」
「風邪?」
上野先生が箸を止めて、蒼先生と季蛍を交互に見ながら言う。
「……多分。
でもさ、季蛍。何か食べてから部屋移ろう?何も食べないとさ、……ね」
また掬ったお粥を、季蛍の口に持って行く蒼先生だけど、一向に食べる気配はない。
「……まぁ無理しなくてもいいか。」
「……蒼、早くギュッてやって」
意識が朦朧としているのか、そんなことを言う季蛍。
「……」
蒼先生が季蛍に軽く口づけをしたことは、俺と上野先生だけが知っている。
顔が真っ赤な季蛍と、この場で口づけしてしまう蒼先生。
…………う、
羨ましい!!!
とか思った俺。