点滴をさして椅子に腰掛ける。 「……港先生、怒ってないよ。 璃子ちゃんの事、心配してくれてるよ」 「……だって、今日来なかった」 『璃子ちゃんを見るのが辛いからだよ』 出かけた言葉を飲み込む。 ……璃子ちゃんをみるのが辛いから。 そんなことを聞いたら、余計、港に申し訳ないと思ってしまうかもしれない。 「……璃子ちゃん。」 「蒼先生…」 折り紙を折って、気持ちを紛らわせようとしていたのか、名前を呼べば、璃子ちゃんの頬に、 涙が伝っていた────