────医局
医局へ入ると、ソファに横たわる季蛍さんを診る蒼。
「あれ?…季蛍さんどうかした?」
「……あぁ、芙羽。
………熱中症。ぶっ倒れてた、診察室で」
「大変だな。」
「うん。……俺の机の上にあるペットボトル、とってもらっていい?」
ソファに横たわる季蛍さんに白衣を捕まれている蒼は、動けないようで………。
「…はい」
蒼にペットボトルを渡せば、「ありがと」と言って微笑む。
「……ほら、季蛍水」
飲みかけのペットボトルの水を季蛍さんに飲ませる蒼。
………この季蛍さんのぐったり具合、凜と似ている気がする。
「凜も熱中症……」
1人でポツリと呟くと、
「ん?凜さんも体調悪いの?」
と聞く蒼。
「そう。昨日からぐったりで。今日病院に連れてきたんだけどね」
「港んちの陽さんも倒れたって。…なんだっけ、熱中症だったって言ってたかな。
奥さん方皆倒れちゃったな。港もさっきから陽さんのとこと、外来往復してる。
凜さんは大丈夫そう?」
「んー、でも風邪かもしれない。」
「そっか」