目が腫れていて、折り紙で犬を作っていた理由も、ここで繋がった。
それなのに、
「蒼先生、おはよう。」
と言う璃子ちゃんは、笑顔だったな…。
病室に入ると、三つ目の犬を折っていた。
「……璃子ちゃん、港……じゃなくて、上野先生、用事があるから。先生がさしてもいい?」
「いいよ」
「ありがとう。」
「………港先生、何か言ってた?」
「………え?」
「私が昨日…。夜に港先生の白衣、ずっと掴んで泣いてたから…港先生、帰れなかった」
「……璃子ちゃん」
「……私のせいで、港先生怒ってるかもしれない」
「……」
「白衣濡らしちゃったし、帰れなかったし、ずっと泣いてた私見て、怒ってるかも…しれない」
「璃子ちゃん。大丈夫だよ、港そんなこと思ってないと思うよ?」
「…………でも」


