果織ちゃんの病室から出ると、少し先に、璃子ちゃんの姿があった。
また廊下で折り紙を折っている。
「璃子ちゃん、おはよう。」
抱え上げると、
「わ、蒼先生。おはよう。」
と言いながら折り紙を続ける。
「……」
目が腫れているのが少し気になったけど、そのまま璃子ちゃんの病室へ向かう。
「…今日は何作ってるの?」
「………………犬」
「犬か。いいね」
「…………」
…?
黙りこくった璃子ちゃん。
そして病室についた。
中に入って、ベッドに降ろす。
「……あ。点滴まださしにきてないの?港。
…じゃなくて上野先生」
「……来てないの。」
「おかしいな。……いつもこの時間には来てるのに。璃子ちゃん待ってて。呼んでくるから」
微かに頷いた璃子ちゃんをあとに、病室を出た。


