「………口づけ」





「……。」






「……口づけが好きなんだ。」






「……く、繰り返さないで」








「…それ、してって言ってる?」






「違っ……」







「いいよ」

 





「だ、だめだって。港くんたちから丸見えだよ」









「一番上に上ったとき」








「………え」











……俺たちが乗るこの機が、頂点に向かうまで
の途中は、周りから丸見えだし、もちろん港たちからも見える。







だけど、観覧車の頂上に上がったとき…









どこからも見えない。








右と左の号機は俺たちの下、つまり俺たちはどこからも見えない瞬間に一瞬入るんだ。








そう、一瞬………。