「じゃあ…2、2でわかれる?」
「だね。」
俺と季蛍、陽さんと港。
待ち時間中に、「喉乾いた」と子供のように言う季蛍にペットボトルを渡し、それを俺が受け取り飲む。
「…さりげなく間接キスしてるな、蒼」
と小声で言う港に、
「いいだろ、別に」
と言い返す。
……だって夫婦だし。
俺と季蛍が先に乗り、次の機に陽さんと港。
「……観覧車、いつぶりだろうね」
と季蛍が徐々に小さくなる地を見て言う。
「…高校のとき、観覧車乗ったじゃん。」
「……そうだっけ?」
「うん。…夏の花火が打ちあがる日の夜。」
「…覚えてないや」
「覚えてないの?俺がファーストキス奪ってから…二回目のキスしたあの日。」
「あっ…。思い出した。……蒼がかっこよかった日」
「…なんだそれ。今は違うみたいな」
「んー、じゃなくて!!……あの日の蒼は高校生のデートの中で一番かっこよかった日なの。
……覚えてないの?蒼も浴衣着てたんだよ」
「俺が?」


