陽さんの手がなかなか進まないのも、どうやら気になるみたいで、港が隣でブツブツ陽さんに言っている。
「蒼、それちょうだい?」
と、季蛍。
手に持っていたペットボトルを渡す。
相当喉が渇いていたらしい季蛍。
麦茶をゴクゴク飲んでいる。
「……もう水飲み終わったの?」
「うん、喉渇いちゃって…」
「買ってくる?」
「あっ、いい、私行く」
「……そう?」
近くの自動販売機で麦茶一本片手の季蛍に
「…俺のも買ってきてくれれば良かったのに」
といえば、
「一緒に飲めばいいじゃん。」
と言われて、
「そっか。」
と頷く俺。


