それから芙羽くんが診てくれて、また蒼に抱えられ部屋をでた。
「……ごめんね」
そう言ったけど返事のない蒼。
不安で顔を覗き込んでみると
「……なんで顔赤いの?」
「うるさい」
「……なんで?」
「黙って…」
医局に戻って、私を下ろした蒼に、
「……なんかさっきより顔赤くない…?」
と聞くと、、
「芙羽に診察されてる季蛍、なんかやだった。」
と、言ってまた顔を赤くする。茹でダコみたいに。
「………え?私なんかした?」
「…ッ違う。……それほど好きだってことだよ、季蛍が」
そのときはよくわからなかったけど、後から考えたら
私を診察する芙羽くんに、嫉妬していたらしい。
……それを理解した私の顔が、
蒼よりも一層赤くなった………──────