その感触で目が覚めたらしく、
「港……」
と、陽が呟く。
「陽?体調どう?」
「やだ…」
「やだって………。答えになってないよ、陽」
「……港」
「なんで泣くの……」
「私…が、体調崩すと、買い物すら行けないし、いいムード壊しちゃうし…いいことなんて何にもない……」
「…いいじゃん。これからもっと買い物いけば。これからもっといいムード作れば。……っていうかいいムードって……………。
……いいじゃん。別に急がなくても」
「……だって」
「いいじゃん、ずっと一緒なんだから。嫌と言うほど買い物いけば。ね」
「……うん」
「ご飯、カレーとお粥。どっちがいい?今持ってくるけど。……あ、カレーはあと少し煮込む」
「その前に……ぎゅ──」
腕を広げる陽をぎゅーっと抱きしめて、呼吸を感じながらも陽の、頭の後ろに手を回した。
俺の胸元に顔をうずめる陽。
…………かわいい
だなんて、素直に言える俺じゃないんだけど。


