「陽、とりあえず熱計って」
「……なんで?熱ないから!!」
「あるだろ。……熱い気がする」
「気がするなら平気だよ、だって怠くないし」
「いーいから。」
服のボタンを開けて体温計を挟む。
「…こーら、動かないの」
「やだっ。計んない」
「はーる!!………動くな」
「ねぇ…やだ…、計んない!!」
「ダメ。……動かないの。」
ピピピピッ ピピピピッ
「………あれ、7度7分。」
「全然大丈夫じゃん!」
「7度7分。いつ8度に上がるかわかんないだろ。だめ」
「どうして………?いいじゃん…買い物くらい」
「陽が出先で倒れたらどうすんだ。」
「倒れない!ねぇ、行こうよ」
「………じゃあ夕方、もう一度計って下がってたらね」
「行っていい!!?」
「下がってたらいいよ」
「やったー。下がってるよーきっと」


