胸ポケットから出した体温計を挟んで、待つ。 数十秒たてば、 ─ピピピピッ ピピピピッ 「………あ」 高島が声をあげて、俺もその体温計を奪う。 「8度7分。よく笑ってられるな」 「……笑うしかないんです」 「……季蛍がお粥作ってる間に診る。 …すーぐ悪化すんだから。」 「嫌です。……僕寝てれば治…」 「高島。お・う・し・んに来たの。診ないで帰る医者がどこにいる」 「……そうですけど」