目覚めたとき、そういえば昨日かなり飲んだなと思いながら、若干胸焼けのする俺は起きあがった。
隣に眠る季蛍の服のボタンが、開いているのが気になった。
「……季蛍?」
若干赤らむ季蛍の頬に触れると、熱があるみたいだ。
問題はその後。
起きた季蛍は俺から目をそらして、気まずそうに顔を伏せる。
聞いても答えずに、俯くまま。
「……きーほ…。どうしたんだよ」
「…私のボタン開けたの蒼」
「は?」
「服のボタン!!」
「俺?」
「……お酒飲みすぎ」
「ごめん………。昨夜はちょっと勢いが」
「お酒そんなに飲まないで…。いつもの蒼じゃないと嫌」
「ごめん………。…加減できなくって」
「……じゃあぎゅってしてくれたらいいよ」
そう言う季蛍を見てぎゅってしない訳にいくもんか。
「大好き」
その言葉と共に抱きしめた季蛍の体は、熱のせいで熱くなっていた。
「……ごめんね」
いろんな意味でのごめんね。
季蛍は首を振って、ただ俺の背中に手を回し、ぎゅっと抱き返した───────