布団に潜って熱い陽を抱いた。
「……プロポーズって、今から何年前だっけ?」
どうしても気になって聞いてみる。
「…んーっと。………わかんない」
「だな」
「もう結婚記念日さえ覚えてればいいもん。何年前だろうが関係なーい。
……港とはずっと前から一緒。それでいいの」
「……俺もそう思う」
「……うん、港はそう思うかなーって思ってた」
「…俺は、陽が『港そう思うかなーって思ってた』って思ってた」
「私は、『港そう思うかなーって思ってたって思ってた』って思ってた」
「俺は『港そう思うかなーって思ってたって思ってたって思ってたかな』って思ってた」
「………もういい。もう寝る」
「ふふ、おやすみ。……早く元気になって、夏なんだからどっか行こうな」
そう言うと、ベッドの、中でギュッと手を握られた。
そして、そのまま眠りについていった……。


