「大丈夫…じゃないですけど」
「で?今は?」
「……。」
「季蛍、おでこ」
屈んで高島先生の手に届くようにすると、額に手を触れる高島先生。
「……下がってないんだろ?」
「……まあ。」
「まあじゃないってー。あとで診てあげよっか」
「いいです……。どうせ大丈夫だから」
「そんなこと言ったって。微熱二週間も続いて。放っておける訳ないだろ。主治医として」
「………そうかもしれないですけど」
「じゃあ辛くなったら言えよ。これ、約束な」
と言いながら書類に目を通す高島先生。
「約束破ったら、どうなるか。わかってるよな」
「…………」
「俺まで敵になるのが嫌なら、ちゃんと約束守りなさい。わかった?」
「………わかりました」


