夏をおろして、トテトテ歩いてどこかへ消えていく夏。
そして俺は、季蛍のボタンを無理矢理あけて体温計を入れる。
「蒼のバカァ…」
「…ん?じゃあ明日高島に診てもらうとき計るか?怒るぞー。熱計ってないなんて聞いたら」
「ご、ごめん、嘘……。計る」
と、渋々体温計を挟む季蛍。
「……明日高島に診てもらうかー。仕事終わったら」
「やだ、絶対無理」
「……だめ。絶対」
「ええぇ……」
ピピピピッ ピピピピッ
「……8度5分。なおさら診てもらうの決定な。っていうか、よくこんな熱でそんなとこに寝てるね。
寝室行って」
「……もう立てない」
「はぁー、わかったよ」
季蛍を抱えて寝室へ。
「蒼………」
よく見たら、顔が赤くて、かなり熱がある感じだった。
「…寝たら?熱が高い」
「……うん」
「おやすみー。夏来のことは俺やっとくから」
「…ありがとう」