────「蒼先生、高島先生ありがとうございましたー」 「いーえ」 意外と救急が少ないことに驚きながら医局へ戻ろうとする。 その時高島がぽつりと呟いた。 「あれって………季蛍じゃ…」 「え?どれ?」 救急外来の待合室に、身を丸めるようにして座っている季蛍がいた。 「……ほんとだ。こんな所で何してんだ?」 膝に顔をうずめている。 近づいてみると、ブルブル震えているのがわかった。 「……季蛍?」