左手で季蛍を引き寄せ、ぎゅっと抱きしめる。
「………俺がいない夜って…どんな感じ?」
「怖い…。怖いし、全然眠れない」
「怖い…って発作が?」
「……うん、発作。
それとね、蒼いなくて寂しいよ。いつも隣にある温もりってものがないのって、すごく寂しい」
「俺も。………季蛍がいない夜、寂しい」
「……蒼は私でよかった?」
「俺は季蛍でよかった。季蛍は俺でよかった?」
「私は蒼以外にいないもん、そんなこと聞かないで」
「先に聞いたのはどっちだ」
…暗い病室に、俺と季蛍の声だけが響く。
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