─────22:00
ガラガラッ
「ごめん。遅くなった…起きてる?」
「起きてます…」
「…いいの?俺診て」
「蒼に言われちゃったし…」
「そう。わかった。」
服を捲って聴診する高島先生が、ふと口を開く。
「蒼先生がさ、医局に戻ってきたとき…すんごいリンゴみたいに顔真っ赤だったけどなんかあったの?」
「え、いや、」
「もうね、真っ赤すぎた。……どうしたんですか?ってきいたら『ちょっと』って」
服から聴診器が抜かれて服を直してくれた。
「………蒼先生もなんかいいよねー。甘~い夫婦生活で」
「……………」
「じゃあ寝ててよ。……明日の朝来るけど」
「…今、蒼どこですか?」
「今ね、院内走り回ってるよ。……季蛍の患者さん診てるの蒼先生じゃないかな?
……多分。じゃあ俺も手伝ってくるね。おやすみ」
「おやすみなさい……」


