意識を飛ばしたという季蛍の近くに椅子を置いて座った。
今朝、急に怒鳴りだした季蛍の思っていたことがよくわからない。
「子供扱いしないで」
とか言ってたし、構わないでほしいらしい。
………俺が何かしたっていうのか?
意識のない季蛍の頭を撫でる。
「………俺が、…我慢させてるのかな」
自分の声とは思えないほど、か細い声…。
「……ごめん、ごめんね…季蛍」
力の入らない声でつぶやく。
目を覚ましてほしい、と。
「………季蛍」
眠る季蛍は荒い呼吸をしていた。
「……」
服を少しだけ捲って、聴診器を入れた。
「……」