季蛍を椅子に下ろして、俺はベッドに腰掛けた。 怠さではなく、怖さで固まる季蛍。 「……じゃ、診察するから。服あげて」 ……言葉の一つ一つに、感情がないというか、棒読みというか…素っ気ない言い方。 これが、より怖さを引き立てるんだろう。 もう、ぼーっとして服を捲らない季蛍を見て、眉にシワを寄せる信濃先生。 「あげるよ」 と呟いた信濃先生が季蛍の服に手をかける。 もう、泣きそう……季蛍。