車に乗って病院に向かう。 助手席で窓に寄りかかって怠そうな季蛍。 「……あ、季蛍。熱計ってくるの忘れた。 …今計って」 信号待ちをしている間、胸ポケットから出した体温計を季蛍に渡す。 「ほら、とりあえず計ってみて」 渋々体温計を挟む季蛍。 「正確に計れないかもしれないけど。」 「……うん」 ピピピピッ ピピピピッ 「……いくつ?」 「……8度5分」 「……わかった」