────翌朝。
「おはよう、季蛍」
「……はょ」
寝室で着替えをする俺と、力のなさすぎる声で呟く季蛍。
「どう?昨日薬飲んでないから、あんまり良くなってないだろうけど」
と、まだ留めてないワイシャツのボタンを全部開けっ放しにして、季蛍に近づき額に手を触れる。
そして、首元。
そんなことをしているうちに、季蛍がワイシャツのボタンをプチプチと、留めてくれた。
「あぁ、ありがと。
…体温、計って」
と、体温計を差し出すと首を振る季蛍。
「ダメ。……ったく、」
まだはだけているワイシャツを気にしている場合でもなくて、季蛍の服のボタンを開けて体温計を入れた。