「違うの。熱ないもん」






「俺の手が嘘をついたっていうのか?」






「うん、そう。」





「……ったく。俺のこと誰だと思ってるんだろうね?なつ。」







「ぱぁぱお医者さん…」








「そうそう。季蛍がお医者さんを疑ってるよ~」








「マンマー!!めーでしょ」








「……夏に怒られた」








シュンと体を丸める季蛍。







「……ほら、季蛍熱計りなよ」







体温計を渡すと、これでもかと言うほど首を振る。







「蒼お医者さんなんでしょー?だったら計らなくたって大体わかるでしょー?」








……いやいや、あなたもお医者さんですよ。



季蛍さんよ。